BenQ ZOWIE XL2546 レビュー。240Hzモニターの金字塔!
今回は240Hzゲーミングモニター「BenQ XL2546」のレビューだ。
BenQ ZOWIEとは?
一言でいうならゲーミングモニター界の王者。世界で初めて120Hzの液晶モニターを開発し、ゲーミングモニターという分野を開拓した先駆者だ。その頃からトップを走り続け、今やプロゲーマーのみならず、多くのユーザーに愛されている。昔からある古参企業で本社は台湾だが、BenQ Japan支社もある。BenQはBringing Enjoyment and Qualityの略で、直訳は「楽しさと品質をもたらす」。昨今では世界で初めて240Hzモニターを世に送り出したことが記憶に新しいが、その初代モデルである「BenQ XL2540」からマイナーアップデートを加えた「BenQ XL2546」はどう進化したのか。今回はBenQ Japanより製品提供を受けたのでさっそくレビューしていくとしよう。
長所
〇240Hzが超ぬるぬるで快適。敵の動きが手に取るように分かる。
〇昔からある古参企業で安心感がある。これを選んでおけば間違いない。
〇多くのプロゲーマーが使っている。またユーザー数が多いのでトラブルに強い。
〇ドット抜けがないことがほとんど。安いメーカーだと2、3個あることも。
〇応答速度が1msでトップクラス。反射神経アップ。
〇非常に多機能でFPSなどのゲームで有利になる。暗い所を明るく表示する機能、色が鮮明になる機能、動きの速い敵がぶれにくくなる機能など。
〇目に優しい機能がある。ブルーライト低減モードやフリッカーフリーなど。
〇普段使いとゲーム用設定を一瞬で切り替えられるS.Switchというリモコン付き。
〇小さくもなければ大きすぎない、ちょうどいい画面の大きさである24.5型。
〇入出力端子が豊富。DPはもちろん、HDMI 2.0やUSB3.0まである。
〇スタンドの性能が高い。比較的自由に動かせる。VESA対応でモニターアームも装着可。
〇保証が3年間と長い。
短所
×価格が高い。
×反応速度が速いTNパネルだが、IPSパネルと比べると視野角が狭いので色合いは劣る。デザイン編集などには向きにくいのであくまでゲーム用と考えよう。
※短所とは言えないが、初期設定のまま使い続ける人には向いていない。きちんと機能を理解して自分で設定できる人向き。初期ではブラックイコライザーがオンになっていて、画面が白っぽくなっている。それを画面の特性と勘違いして批評している人がいる。オフにすれば白っぽくはならないし、明るすぎるのであれば輝度を下げればいい。
製品仕様
・パネルの種類:TN
・大きさ:24.5型
・アスペクト比は16:9
・解像度:1920 x 1080 @240Hz(DisplayPort、HDMI 2.0接続時)
・応答速度:1ms (GtG)
・輝度:320
・映像端子:DVI-DL、HDMI1.4、HDMI2.0、DisplayPort
・その他の端子:ヘッドフォン端子、マイク端子、USB 3.0 x2
・消費電力:55W
・コントラスト比は1000:1
・DCR (Dynamic Contrast Ratio)は12,000,000:1
・液晶パネル本体重量:7.5kg
・スタンド込み総重量:11.3kg
・VESAマウント対応:100×100 mm
・画素ピッチ:0.28mm
・液晶画面の縦回転90°(ピボッド)、スタンドの横回転は左45°、右45°(スイーベル)、液晶画面の上下傾きは-5°~20°(ティルト)、高さ調整機能は最大130cmまで。
・機能:ダイナミック精度あり (Dynamic Accuracy)、アイシールド(左右の羽)あり、S.Switchあり(リモコン)、Black eQualizerあり、Color Vibrance(色の鮮明さ)あり、ブルーライト軽減モードあり、フリッカーフリーテクノロジーあり、
・付属品:電源ケーブル、DPケーブル、USBケーブル(各約1.8m)、クイックスタートガイド、ドライバーCD、保証書、アイシールド、S.Switch、液晶ディスプレイカバー
・保証期間3年間(パネル、ライトは1年保証)
多様な機能の解説
・DyAc (Dynamic Accuracy):残像低減。激しい動きの敵がブレずに見やすくなる。
・Black eQualizer:暗い所でも明るく見えるようになる。ただし全体的に白っぽくなる。
・Color Vibrance(色の鮮明さ):色の濃さを自由に変更できる。高いほど鮮やかに。
・ブルーライト軽減:目が疲れる青色の光を抑える。ただし画面が黄色に。Dyacオフ時のみ。
・フリッカーフリー:画面のちらつきを抑えて目が疲れにくくなる。Dyacオフ時のみ。
・S.Switch:FPS用や普段使いなど3つまで設定を保存できて、ボタンを押せば呼び出せる。
・アイシールド:左右画面端に付けられる羽。邪魔なものが映らないので集中しやすい。
DyAc
Black eQualizer
Color Vibrance
フリッカーフリーテクノロジー
ブルーライト軽減モード
レビューと使用感
とにかく240Hzの衝撃がすごい。敵がぬるぬる動く姿は圧巻の一言。ぬるぬるすぎて最初は画面酔いしたほどだ。僕は乗り物酔いに強い方で、画面酔いなんてほとんどしたことがないにも関わらずである。144Hzから移行した僕でさえそうなるのだから、60Hzから買い替えたならばもはや別世界であろう。一時期前は240Hz出すのにかなりのマシンパワーが必要だったのだが、最近ではAPEX LEGENDSやCSGO、OVERWATCHなど超軽量級ゲームの登場で、ミドルクラスのパソコンでも240Hzが出せるようになってきた。もはやゲーミング液晶モニターは240Hzの時代なのである。
DyAc
この機能が初代のXL2540にはなくて、このBenQ XL2546にはある新機能である。結論から言うと非常に良い。確かに動いている敵がくっきりとブレずに見えやすくなった。一番分かりやすいのは自分が敵に対して弾丸を当てている瞬間だ。その時は敵が高速で動いていて、ブレたように見えてしまうのが、これまでの液晶モニターであった。しかし、これをオンにすることで弾を当てている時もしっかりと敵の輪郭が追えるようになった。僕が今メインでやっているオーバーウォッチでは、敵の輪郭線が強調表示されるのだが、それがしっかりと追えることでAIMを合わせやすくなった印象。敵が止まっているかのような感覚になることも。ただし、これは僕が実際にオンにした場合とオフにした場合を比較実験した結果で、これは非常に繊細な感覚なので、もしかしたらこの違いが分からない人もいるかもしれない。
Black eQualizer
この機能の存在は大きい。FPSはマップによっては暗くて本当に見えない所があるからだ。高画質になればなるほど顕著で、バトルフィールドやコールオブデューティー、カウンターストライクなど名だたるFPSゲームで有効に使えるはずだ。ただし、これを上げれば上げるほど画面自体が白っぽくなってしまい、色合いが薄れてきてしまう。だから極力使わない方がいいし、使うにしても最大の10ではなく、5とか7とか抑えた方がいい。僕は暗いマップが出てきたときにS.Switchを押して、この機能が有効になっている設定を呼び出すことで効果的に使っている。
S.Switch
これが僕にとって必要不可欠の付属品だ。FPSをする時は設定を最大に上げ、目が疲れようがおかまいなく、かなり明るくした上でプレイしている。しかし、ひとたびゲームが終わってブログを書く段階になるとこんなに設定を上げる必要はない。とにかく目が疲れにくい設定がいいから、一番暗くして、ブルーライトをカットしてフリッカーも減らしている。だからこれらの設定を保存して、ボタン操作一発で呼び出せるS.Switchがとにかく便利なのだ。設定するときもマウスホイールのようなものを使えばかなり操作しやすい。丸くてかわいいのも個人的には好き。
Color Vibrance
この機能もすごい。設定を上げるとものすごく色が鮮やか見えるのだ。色が鮮やかになるだけで、すごく綺麗に見える。黄金に輝く稲穂も透き通った海の青も全部。僕は画面を通して写真を見ているだけなのだが、写真を撮った人はこんな景色を見ていたのかなあと想像させられるほどだ。これがゲームでも有効で、特徴的な赤や青がより綺麗にはっきり見えるから有利なのだ。逆に色合いを下げていくと白黒になるので、これはこれで面白い。
アイシールド
正直言うとこんなものは不要だと思っていた。特に二枚以上のモニターを表示している僕にとって左右に羽があっても邪魔なだけだろうと。しかし、レビューのためと仕方なく付けてみるとびっくり。これが意外にいいではないか。確かに左右を塞ぐことで一枚のモニターに集中できる。これは元々はオフライン大会用のものだと思われる。後ろの観客が目に付くという選手の意見が多かったのだろう。しかし、意外にも普段使いで効果を発揮する。見た目も変わるし、気分も変わる。一度は使ってみてほしい。邪魔なら外せばいいだけだから。
価格について
世界で最初に240Hzを開発したBenQを選ぶことは一つの安定した選択肢と言える。僕自身、120Hz液晶モニターが登場したころからBenQ製を使ってきたので、その安定感を身に染みて感じている。これを買っておけば間違いないという安心感があるから、安いものを買って後悔ということがないのだ。世界初の240Hzモニターである「BENQ XL2540」も発売した後すぐに購入し、「ああやっぱり間違いなかったな」と思えたほどだ。そしてユーザーの絶対数がとにかく多いことがメリット。多くのプロゲーマーが使っているから、その設定を真似することも容易だし、何かしらトラブルがあった時に対処もしやすい。設定がわからなくてもフレンドに聞いたりもできる。多様な機能についても、元々はBenQが開発した独自機能だったのが、他のメーカーが真似して似たり寄ったりの機能にしただけ。このことからも安心感が違う。
ただし、6万円前後の価格が2019年現在ではやや割高になってしまったのは事実である。240Hzモニター登場時はそのプレミア性から6万円でも妥当だったが、多くのメーカーが参入する中で4万円前後の製品も出始めてきた。学生にとっては4万円でもなかなかの大金であるから、このBenQ XL2546は確実にいいものが欲しい社会人向けのゲーミングモニターと言わざるを得ないであろう。
実写画像
実写画像を見ればスタンドの性能が分かりやすいだろう。けっこう自由度が高くてスタイリッシュなのでそのままでも十分使える。
公式の画像
総評
総評としてBenQ XL2546は信頼度の高いハイエンドゲーミングモニターと言えるだろう。FPSなどの競技性が高いゲームにおいて有利な機能を数多く搭載しているので、使っていて便利ですごいと思うことが多くある。特にDyAc、Black eQualizer、S.Switchは一度使うと必要不可欠と思えるほどいいので、興味を持ったならば選択肢に入れるといいだろう。ただ、学生にとってはやや割高なので、ボーナスが出た社会人などに特におすすめしたい製品と言える。