グラフィックボードメーカーの選び方・おすすめ
グラフィックボード(ビデオカード/GPU)の選び方を自分なりにまとめました。どこのメーカーを選べばいいのか分からない人は参考にして下さい。画像はNVIDIAより。
中身と外側を作るメーカーで分かれる
グラボのメーカーにはGPUコア(中身)を作るメーカー①と、クーラーや電源など(外側)を作るメーカー②があります。
結論からいうと、メーカー②はどこを選んでも性能は1割ほどしか変わりません。
GPUコアを作っているメーカー①は二つだけです。
NVIDIA・・・Geforce GTXシリーズなど
AMD・・・RADEON HDシリーズやRシリーズなど
まずはGeforceブランドにするのか、RADEONブランドにするのか決めましょう。
NVIDIA・・・高品質・高性能なものが多いが、その分値段が高い。
AMD / ATI・・・値段の割りに性能がよく、コストパフォーマンスに優れる。
おすすめはNVIDIA。ゲームをほとんど負荷なし(重くならない)で録画や配信できるShadowPlayやG-SYNCなどの便利な機能があるからです。
外側を作るメーカーのおすすめ
メーカー②はたくさんありますが代表的なものを挙げると
MSI・・・Twin Frozrという優秀な冷却性と静音性を持つクーラーが代表的。LightningというOC特化モデルもある。
ASUS・・・DirectCU IIという優秀な冷却性と静音性を持つクーラーが代表的。値段は割りと高い。
GIGABYTE・・・WindForce 3Xという3連ファンの優秀なクーラーがウリ。性能の割に安い。
SAPPHIRE・・・AMD製しかないものの、安くて信頼できる作りでRadeonシリーズで人気No.1。
以上のMSI、ASUS、GIGABYTE、SAPPHIREの4メーカーがおすすめです。ASUSはエイスース、SAPPHIREはサファイアと読みます。
その他の色んなメーカー
EVGA・・・高品質だが、値段が高い。
ZOTAC・・・小型化が得意なメーカー。小さいPCケースならこれ。安い。
GALAXY・・・ゴツゴツした派手なクーラーが印象的。安い。
Leadtek・・・昔からあって安定感があるが、最近はあまり人気がない。
玄人志向・・・その名の通り、自作PC初心者にはおすすめできない。ただその分、安いものが多い。
Palit・・・安いが通常2スロットのビデオカードが3スロット必要だったりしてちょっと癖がある。日本ではドスパラだけで売っている。
※これらはあくまで僕のイメージです。
グラフィックカード選びで一番重要なこと
ビデオカード選びで一番重要なのはメーカー①で、どのランクの型番を選ぶかということです。
自分の目的と予算に合わせた選択が重要です。
高いものを買っても、使わなければ無意味です。また、3年もすればローエンド製品になって買い替えたくなってきます。
かといって、安い製品を買ってもゲームが満足にできなくて、いいものを買えばよかったと後悔することになります。
メーカー②のほうは、どこを選んでも性能差は1割くらいなので、そこまで気にする必要はないでしょう。
クーラーの出来が悪いと思ったら最悪、GPUクーラーが別に売ってあるので交換すればいいです。
GPUの性能差は個体によってもかわってくるので、運の要素もあります。どれだけ冷却性能が良いクーラーを使っても、運が悪いとそこまで性能は伸びません。
ただメーカー②のサポートや電源・メモリあたりはチェックしておいたほうがいいでしょう。ビデオメモリを4GB搭載したモデルもあります。
グラフィックボード/ビデオカード/GPU性能比較
ビデオカード(GPU)の簡単な性能比較表。同じ行にあるものが大体同じくらいの性能です。
ゲームや環境によって変わるので、あくまで目安として見て下さい。
NVIDIA Geforce GTX
コア | 2013/2014年 | 2012年 | 2011年 | ランク (目安) |
GK110 | 780ti | – | – | ウルトラハイエンド |
780 | – | – | ハイエンド | |
GK104 | 770 | 680 | – | |
– | 670 | – | ミドルレンジ | |
760 | 660ti | – | ||
GK106 | – | 660 | 580 (GF110) | |
GF110 | 750ti(GM104) | 650ti | 570 | |
GF114 | 750(GM104) | – | 560ti |
オーバークロック(OC)すれば一つ上のクラスと同じくらいになったり、GPUコアが同じだと超えることもあります。
3桁の数字のうち、一番左の数値で年代が分かり、真ん中の数値で大体の性能が分かります。
GTX770とGTX680が同じくらいの性能のように、新しい世代の真ん中の数字に+1すると古い世代と同じくらいの性能になります。
GTX690のようなデュアルコアを搭載したグラフィックボードもありますが、ゲーム側が対応していないと満足に性能が出せない場合があるので、あまりおすすめはしません。
SLIやCrossFireといった二つ以上の同じGPUを使って性能を伸ばすのも同様に、ゲーム側が対応していないと安定して性能が出せません。
ただSLIやCrossFireは対応しているゲームだと劇的に性能アップできて、コストも安く抑えられる場合があるので、お金がある人やどうしても特定のゲームでFPSを出したいって人には向いてます。
Radeonシリーズの性能比較
2012年 | 2011年 | NVIDIA比較 |
7970GE | GTX680 | |
7970 | GTX670 | |
7950 | GTX660ti | |
7870 | GTX580 | |
7850 | 6970 | GTX570 |
6950 | GTX560ti | |
6870 | ||
6850 |
RADEONシリーズのコア名はHD 7970がTahiti XTみたいに数字ではなく文字で、分かりにくいので省略。
GPUコアが決まったら次はメーカー②を選ぶんですが、いくつか見るべきポイントがあります。
メーカーによってクーラーの出来が違い、冷却性能も変わって来ます。
よく冷える分、それだけ性能を引き出せたり、静かになったりするので、メーカー独自にオーバークロックして販売している製品も多いです。
グラフィックボードのスペック表の見方
ここから下は興味ある人だけでいいと思います。
コアベースクロック | コア周波数。メーカー①が決めた定格クロックを把握して、どれだけ上がっているのか見るといい。 |
ブーストクロック | GPUブーストという、温度と負荷に応じて自動的に動作周波数を上げてくれる機能の期待値。 |
メモリクロック | メモリ周波数。高ければ高いほどいい。 |
メモリ容量 メモリバス幅 メモリ規格 |
容量が多いほど、メモリバス幅が大きいほど、高解像度で重いゲームになっても性能が下がりにくい。メモリ規格は世代ごとに確認しておく。現在の主流はGDDR5。 |
消費電力 補助電源 |
グラボの消費電力によっては、マザーボードの電力では足りないので、PC電源から新たに供給する必要がある。もちろん消費電力が低いほうがいい。 |
電源フェーズ数 | OCすると電源に負担がかかるため、メーカー②が独自に改良している場合があります。OC耐性を見る一つの基準。 |
占有スロット | マザーボードの占有スロット数。1スロットなら狭いマザーボードでものせることができるが、3スロットになると入らない場合もある。 |
接続端子 | HDMIやDVIなどの数と種類。SLIやCrossfireをするときに確認しておきたい。 |
バスインターフェイス | マザーボードの接続規格で、最大でどれだけの転送速度を持つのか、どこに挿せばいいのか分かる。現在の主流はPCI Express 3.0 (x16)となっている。 |
Direct X | 世代ごとに確認しておく。DirectXとはマイクロソフトが開発したゲーム処理のAPI集合。現在の主流はDX11.2で、古いゲームはDX9対応などとなっているが、最新バージョンならプレイできる。 |
これだけチェックするポイントはありますが、GPUコアは変わらないので、性能はOCしても1割くらいしか違いません(一部のOC特化モデルを除く)。
ただ搭載するファンによっては普通の状態でもうるさいファンがあるので、なるべく評判の良いメーカー②のほうがいいでしょう。
670OCと680が同じくらいの性能ならば、価格が安い670OCでも良いですが、性能と価格の逆転現象があるので注意。
660OCのほうが高くて性能が低いのに、660tiのリファレンスのほうが安いみたいな感じ。
だからそこまでメーカー②にこだわる必要はないです。特価品やタイムセール品があったら迷わず買ってもいいと思います。
ただ安いものは3スロットだったり、DVI接続端子がなかったりするので要注意です。