虹色ゲーミングキーボードの決定版!Thermaltake TT Premium X1 RGB レビュー
今回はThermaltake製のゲーミングキーボード「TT PREMIUM X1 RGB」のレビューだ。
Thermaltakeとは?
Thermaltakeは台湾を本社に構える会社で、主に自作パソコンのパーツやゲーミングデバイスを扱う。個人的には自作PCの電源やファンのイメージが強い。2010年頃から日本のゲーミングデバイス業界に参入していて、最近は徐々にラインナップを広げつつある。ブランドとして「TT Premium」と「TT eSPORTS」のふたつを展開しており、製品によって割り当てている。今回のキーボードは上位ランクの「TT Premium」ブランドだ。今回は企業より製品提供を受けて執筆している。
長所
〇全体的な性能が高いわりに安い。コストパフォーマンスが高い。
〇超高速入力できる「Cherry MX Speed RGB」キー搭載。入力判定1.2mm。
〇キー耐久性能が5000万回と高い。
〇1680万色に光るカスタマイズ可能なRGBバックライトを搭載。明るく照らす。
〇FPSや音ゲーもできる全キー同時押し対応(Nキーロールオーバー)。
〇複数キーを同時に押したときの認識不良を防ぐアンチゴースト機能に対応。
〇日本語配列108キー対応で「無変換」や「半角全角」などのキーがちゃんとある。
〇専用ソフトが比較的使いやすい。キー割り当てやマクロ、RGBが設定しやすい。
〇スマートフォンから専用アプリで操作できる。
〇交換用キーキャップやパームレストを付属。
〇充電やデータ転送ができるUSB端子を搭載。延長コードとして使える。
〇ヘッドセットやイヤホンをさせる端子を搭載。3.5mmミニプラグの延長コードになる。
〇音楽の再生などができるマルチメディアキー搭載。Windowsキーロック機能も。
〇キーキャップの肌触りがいい。柔らかい。表面に滑り止め加工。
短所
×ケーブルが硬い。取り回しにくい。
×日本語の説明書がない。専用ソフトの日本語訳が一部怪しい。
製品仕様
この製品には入力判定1.2mmの高速連続入力ができる「Cherry MX Speed RGB」と、軽快なタイピングができる「Cherry MX Blue RGB」の2種類がある。今回はよりFPS向きの「Cherry MX Speed RGB」の方をレビューしている。
・メーカー:Thermaltake / サーマルテイク
・ブランド:TT Premium / TT Gaming
・型番:KB-TPX-SSBRJP-01
・接続:USB
・キー配列:108キー日本語配列
・キースイッチ:メカニカルスイッチ、シルバー軸 Cherry MX Speed RGB
・キーストローク(mm):3.4 – 0.4mm
・アクチュエーションポイント:1.2 ± 0.4mm
・キー押下圧:45g
・バックライト:1680万色(RGB)、全キー
・レポートレート:最大1,000Hz
・オンボードメモリー:4MB
・全キー同時押し対応(Nキーロールオーバー、アンチゴースト機能)
・本体サイズ:横幅46cm、縦幅17cm、高さ4cm。
・重さ:1.6kg
・ケーブル長:180cm
・付属品:交換用キーキャップ、キー引き抜き工具、パームレスト
・発売時期:2018年7月20日
・保証期間 2年間
打鍵感など体感レビュー
打鍵感はスコスコと気持ちがいい。さすが様々なメーカーに採用されている鉄板メカニカルキーボードのCherry MXブランドだけある。音は茶軸や赤軸などの平均的なキーよりもやや静かくらい。ボイスチャット相手に迷惑をかけにくいと言える。
個人的には無変換がついているのが嬉しいポイント。僕はブログを書くのでこれがないと打ちにくくてしょうがない。一発でカタカナ変換できないとゲームのブログなんてやってられない。最近のゲーミングキーボードでは省略されがちなので長所と言えるだろう。そこまで必要としている人も多くはないと思うが。必要な人にとってはなくてはならない必需キーなのだ。
付属品が豪華だ。キーキャップ取り外し器は安いけれども、用意するのが地味にだるいので付属してくれていると、とても楽だ。僕はAmazonでわざわざ買った過去があるが、持っていない人も多いのではないだろうか。これを持っておけば掃除するのも楽だし、キーキャップの交換も容易だ。そしてFPS用の赤色キーキャップがなかなかにおしゃれ。これを交換しておかないとすぐWASDの部分の刻印が剥げてしまうので、必須だろう。そしてキーキャップの肌触りがいいのも僕てきにすごくいい。
キーキャップについては、僕の中でかなり評価が高い。ひとつは高級感があること。刻印が全体的に落ち着いていて、日本語入力があるにも関わらずそんなにごちゃごちゃもしていない。そして肌触りがすごくいい。なんというか、キーのひとつひとつの角がやわらかくて、表面は滑り止め加工がついていて触っていて気持ちいいのだ。スコスコとした打鍵感とも合わさってなんともいい感じ。この部分は想定していなかっただけに、いい意味で裏切られた気分。
ゲームでの使用感
ゲームでは高速入力判定1.2mmの恩恵を確かに感じることができた。これに変更するまではCherry MXの青軸キーボード(Logicool G610)を使っていたのだが、今までとは明らかに違う。反応が速い、速い、速すぎる。FPSでは横移動、縦移動、斜め移動も合わせてマウスでAIMを合わせるため、キーボードの反応速度は速い方が有利だということを身を持って実感した。誤入力もほとんどないし、他の人より一歩先に出たいいものが欲しい人に特におすすめとなっている。
同時押しキー確認
本当にNキーロールオーバーなのかAqua’s Key Testで確認すると間違いなくきちんと反映されていた。実験では両の手のひらを使ってキーボードの左側全体を押している。結果は以下の通りで、色が変わっている部分が入力中ということだ。
画像で詳しくレビュー
ここからは画像で見ていく。ページがかなり重くなってしまったが、見にくい画像はクリックすれば拡大できるように高画質でアップロードした。↓全体像はこのようになる。鮮やかな発光は見事としか言いようがない。
マルチメディアキー付近の拡大図。ボタンは後述。↓
上部にはUSBポートとヘッドフォン端子がついている。↓
側面図。↓
ここからは僕がiPhone XSで撮った写真。まずは箱から。↓
中身は本体、説明書、FPS用キーキャップ、キーキャップ取り外し器、手首を置くためのパームレスト(磁石で簡単に脱着できる)。↓
左側の拡大写真。↓
一番左上のボタンはゲームモードキーでマクロを組んだりもできる。2番目は明るさ調整ボタン。3番目はWindowsキーロックボタン。右側のマルチメディアキーには音量調節ボタン、ミュートボタン。下側は停止、前、次、最後。↓
キーキャップを取り外すとメカニカルスイッチの銀軸がお目見え。CHERRYのロゴが入っているのがわかる。↓
本体中央部の拡大写真。↓
裏側の立てるところ。立てなくても十分打ちやすいので僕は立てない派。↓
本体の裏側。↓
三又になっているケーブル。これが硬くてちょっと取り回しにくい。
金メッキ加工がしてある。一番手前がキーボード操作のUSB端子、真ん中がオーディオ用の3.5mmプラグ(延長コード)、一番奥がUSBポート(延長コード)。
専用アプリケーション
X1-RGB専用のドライバ(X1 RGB Gaming Keyboard Software )をインストールすれば細かくカスタマイズできる。初期設定では英語だが右上のシステムマークを押すことで日本語にできる。所々の日本語が怪しいのでおそらくThermaltake本社の台湾人が訳したものだと思われる。フォントもちょっとおかしい。右上に設定初期化ボタンがわりと押しやすい所にあるので気を付けよう。
↓下図はRGBカスタマイズでどのようにキーボード全体を光らせるのか設定できる。左から右へ七色に光る「ウェーブ」、七色にくるくる回りながら光る「スパイラルレインボー」、音楽に合わせて光る「サウンドコントール」、パソコンの温度に合わせて光る「システム温度」などがある。おすすめはウェーブとスパイラルレインボー。設定するだけで七色に光るので綺麗。好みに合わせて明るさ、流れる方向、速さを設定できる。ちなみに僕は明るさマックス、右から左へ、一番遅くしている。
↓キー割り当て画面。プロファイルを6つまで作ることができるので、ゲームごとに変更するのもいいだろう。設定できる項目は単一キー、マクロ、メディア、キーストローク機能、アプリケーション起動、ゲーミングプロファイル、無効の8種類。例えばここでScroll Lockに画像編集ソフト起動を割り当てれば一発で起動できるというわけだ。普段使わないキーを有効活用できるのでわりとこの機能は評価が高いのではないかと思う。
ゲーミングプロファイルはBF Hardline、CSGO、Diablo3、Doom、Dota2、LoL、Overwatch、WoW、Division、GW2、Starcraftが選べる。これらのゲームはこのアプリから直接ゲームキーを登録できるというわけだ。ただ、ラインナップがちょっと古くて少ないのが残念なところ。これはアップデートで増えていくことを今後に期待したい。
↓マクロも登録して使用することができる。
↓公式ページから説明書をダウンロードすると、このキーボード専用のホットキーが掲載してあった。最初全然気づかなかった。覚えておけばプロファイルの切り替えはかなり楽かと。地味にコンピュータや電卓呼び出しも便利。
スマートフォンから操作
スマホからも設定できる。iOSの場合のアプリ名は「TT iTAKE」だ。このアプリの名前が公式ページにも説明書にも書いてなかったのはちょっと不親切に思えた。分からなければThermaltakeで検索すれば出てくるだろう。アプリは家庭内ネットワークにつないでいれば接続できるようになる仕組み。ライト設定やマクロ、音声操作ができる。僕は接続がなぜか上手くいかなかったのと、あまり必要性を感じなかったので試していないが、こういう機能もあるくらいの認識でいいだろう。
総評
総評としてThermaltake TT PREMIUM X1 RGBは完成度の高いRGBゲーミングキーボードと言えるだろう。全キー同時押しで高速入力ができて、価格も2019年7月時点で1万円前後と比較的手が出しやすい。ケーブルの取り回しの悪さや怪しい日本語訳など欠点も確かに存在するものの、キーキャップの高級感や付属品の豪華さ、使いやすい専用ソフトなど多くの付加価値が欠点を補ってあまりある製品に仕立てている。人よりちょっとでもいいものが欲しい、七色に光るキーボードでテンションをあげたい人などに特におすすめだ。