初心者でもできるグラフィックボードのオーバークロック(GPUのOC)方法と設定
今回は誰でも簡単にできる、ビデオカードをオーバークロックするやり方です。
オーバークロックとは一般的に、通常以上の性能を引き出すことを言います。Over Clock(OC)=(通常の)周波数を超える(設定にする)。
OCすることで、無料で性能アップが狙えます。なぜこんなことができるのかというと、市販されているグラフィックボードの最初の設定は壊れるギリギリにはなっていないからです。
ずっと使い続けても不安定にならないようにちょっと余裕をもって設定してあるわけです。これと個体差を狙うのがオーバークロック。
実際には運がよくても10%くらいの性能アップで、OCをすれば保証が効かなくなり、故障しても自己責任となります。
でもそこにはあふれる男のロマンがあります。壊れるかもしれないけど、上手くいけば性能アップというワクワク感。試行錯誤してたどり着いた満足感。オーバークロックにはそんな魅力があります。
MSI AfterBurnerの使い方
今回はNVIDIA製とAMD製、どちらも使えるオーバークロックソフトであるMSI AfterBurnerを使います。これはMSI製のグラボを持っていなくても使えます。
同時にOCテスト用のベンチマークもダウンロードします。一番有名なFF14 キャラ編。
MSI Afterburnerをダウンロード(左側の三角の画像をクリック)
Final Fantasy XIV キャラ編をダウンロード(2.57GB、一番下の同意する)
故障リスクを避けるため、ここでは無理なく地道にオーバークロックする手順を紹介します。調子に乗ってビデオカードがおかしくなると、OCしなければよかったと猛烈に後悔することになります。
1、ダウンロード・解凍・インストール・起動。
青線を引いたところが重要な設定箇所です。
2、小さくて見にくい人は右下のSetting→一番上のタブ(全般)をユーザーインターフェイス(一番右端)に変える→スキンをbig Editionにする。
3、自分のグラフィックボードの型番と定格のコアクロック、メモリクロックを調べる。型番をGoogleで検索したら出てくると思います。
ちなみにGTX680の定格クロックは1006Mhz(Boost 1058Mhz)、メモリクロックは6008Mhz、最大温度は98℃です。
僕のやつはメーカーレベルでOCをしてあるモデルなので、定格 1084Mhz、Boost 1150Mhz、メモリ 6300Mhzとなっています。今回はこれ以上のOCを狙っていきます。
4、右のモニターで現在のGPUの状態を確認する。コアクロック、メモリクロック、温度など。
まずはファンの回転数を上げる
パソコンのパーツは基本的に熱に弱く、OCすることで通常よりも高くなりやすいです。
6、Setting→ファン→ユーザー定義の自動ファン制御を有効化。
(7)、うるさくないファンの回転数を確認する。自分がゲームをしていて、許せる範囲の音がどれくらいなのかを実際に回してみて判断します。今の温度に合わせてファン回転数を上げるだけ。
8、とりあえずファンスピードを高めに設定する。GPU温度は型番にもよりますが100℃超えたらやばくて、できれば70度以下に抑えたいところです。
とりあえずはこんな感じでいいと思います。不安ならもっと回転数を上げてください。
コア電圧と電力制限
Core Voltage(電圧)は上げすぎると故障リスクが跳ね上がるので、初心者の人はそのままにしておきましょう。
GTX600シリーズ以降(GTX700も含む)には、電圧のかわりにPower Limitという欄があります。これは消費電力の上限値で、自分のGPUに合った値を設定することで、オーバークロックの幅を広げることができます。
(9)、Power Limitを最大値にする。これは上げすぎるとダメというわけではなく、設定できる最大値にしておけば問題ないです。電源が古かったり、不安な人はいじらない方がいいかも。
10、Final Fantasy XIV キャラ編を起動して、自分のGPUに合った設定をして、そのままの状態で一度スコアを測る。スタートさえすれば勝手に数分後には測り終わっています。僕の場合は最高設定で11167でした。
コアクロックを少しずつ上げる
いよいよオーバクロックに入っていきます。ここで大事なのは一気に上げすぎないこと。時間はかかりますが、焦らずいきましょう。
11、Core Clockのスライダーを1メモリずつ上げて、その都度ベンチマークを回していく。スライダーを1つずらすと、+1,+7,+12Mhz…みたいになります。右側の数字を手入力でもOK。とにかく一気にあげないで小刻みにいきましょう。
この時、GPU温度をきちんと確認しながらベンチマークを見守るといいです。特に後半は温度が上がりやすいので注意。場合によってはEscで中断しましょう。
ちょっとでもおかしくなったら、そこが限界です。そこから少しずつ下げていって、安定できるクロックを見極めましょう。
僕の場合は1150Mhz→1241MhzくらいまでOCすると、途中でベンチマークが止まりました。瞬間的に出せるのはこれくらいで、安定して出せるのは1200Mhzくらいでした。
12、Memory Clockも同様に、少しずつ上げていく。僕の場合は6300Mhz→6400Mhzまでいけました。
ファンの回転数を下げて、安定ラインを見極める
最初に安全のため、ファンの回転数を多めに設定しましたが、さすがにうるさいと思うので許容できる範囲まで落とします。
13、うるさくない程度までファンの回転数を落とす。この時、温度が一定値を超えないように見守ります。
僕はこんな感じ。GTX600シリーズ以降は70℃を越えて消費電力が一定値以上だとクロックダウンするようなので、超えないように配慮してます。
14、色々なゲームを実際にやってみて、コアクロック・メモリクロックが安定するラインを見極める。ここが一番時間かかると思います。とりあえず一時間くらいはやってみましょう。CPUのOCなんかは24時間安定してやっと合格ですが。
まとめ
できるだけわかりやすく書いたつもりですが、それでも初心者の方にはちょっと難しいかもしれませんね。
結局はロマンと自己満足の世界なので、ちょっと無理だと思ったら諦めてもいいと思います。
僕としては、この記事を通してオーバークロックにハマる人が一人でも出てきたらちょっと嬉しいかなって感じです。