2015年のCPU選び、人気とおすすめ・比較
2015年のCPU選びについて、MaximumPCなどの海外サイトを参考に自分なりにまとめてみました。2015/8/19時点。
2015年のCPU選び
Devil’s Canyon(2014年モデル)
ゲーム配信や動画編集をする人にはi7-4790K、不自由なくゲームをプレイしたい人にはコスパが非常に高いi5-4690K、低価格でオーバークロックを楽しみたいならG3258がおすすめ。また、G3258は消費電力が非常に低いので、ゲームをしないでただネットサーフィンをするだけ・ExcelやWordなど仕事メインで使う人・自宅サーバーを運用する人にも向いています。
性能 | i7-4790K | i5-4690K | G3258 |
コア / スレッド | 4 / 8 | 4 / 4 | 2 / 2 |
周波数(定格/TB) | 4.0 / 4.4GHz | 3.5 / 3.9GHz | 3.2GHz |
内蔵GPU | HD Graphics 4600 | HD Graphics 4600 | HD Graphics |
グラフィックスコア | 20 | 20 | 10 |
L3キャッシュ | 8MB | 6MB | 3MB |
L4 (eDRAM) | – | – | – |
TDP(消費電力) | 88W | 84W | 53W |
製造プロセス | 22nm | 22nm | 22nm |
ソケット | LGA1150 | LGA1150 | LGA1150 |
2014/6/26発売。オーバークロックが可能な一般向けモデルで、Ivy-Bridge以降に採用されていた内蔵グリスが改善したのが特徴。ただ、その改善したグリスは市販されている一般的なグリス程度の品質なので、熱伝導率がLIQUID PRO+相当の半田付け(ソルダリング)には勝てないため、自分でグリスを塗りなおす殻割りが有効です。まぁ殻割りができてコアを直接冷やせる分、極限までOCする人にとっては半田付けよりもいいかもしれないですが。
Devil’s Canyonの3つのCPUは、どれも一般的なオーバークロッカーが頑張れば4.8GHz相当までOCが狙える上、ASUSやASRockのH97シリーズでもOCできるため、非常にコストパフォーマンスが高いです。またi7よりもi5の方が、ゲームでのパフォーマンスは出やすいので、動画編集や配信などをしない人にはよりコスパが高いi5-4690Kの方がおすすめです(ゲーム側が8スレッドに対応していないことがあるため)。
Broadwell-Kは、ビデオカードをつける人にとってあまり魅力的なCPUとは言えないので、安くてコスパが高いDevil’s Canyonを今のうちに買っておくのもありかと思います。
Haswell Refresh(2014年モデル)
ゲーム用として一番安く、性能が高い最強とも言えるCPU(ビデオカード一枚の場合)。
性能 | i5-4460 |
コア / スレッド | 4 / 4 |
周波数(定格/TB) | 3.2 / 3.4GHz |
内蔵GPU | HD Graphics 4600 |
グラフィックスコア | 20 |
L3キャッシュ | 6MB |
L4 (eDRAM) | – |
TDP(消費電力) | 84W |
製造プロセス | 22nm |
ソケット | LGA1150 |
Haswell Refreshは2014/5/11発売のオーバークロックができない安価なモデルです。ただDevil’s Canyonがかなりコスパが高いので、i7-4790Kの対になるモデルであるi7-4790などをわざわざ選ぶメリット薄く、今回は除外しています。ただ、i5-4460だけはゲーム用としてこれ以上ないくらいのコストパフォーマンスなので、載せました。正直、ゲームをやるほとんどの人が性能的にはこれで満足できるレベルだと思われます。
というのも、SandyBridge以降のintelのCPUなら、i5モデルで4コア4スレッドありさえすれば、ゲームをする上でそれ以上性能があってもほとんど意味がないことが分かっているからです。これは6コアあっても8コアあっても同じで、ゲーム側・アプリケーション側が対応していないのが原因です。Core i7-4960XとCore i7 4770Kの記事を合わせて見たらよく分かると思います。なので、ゲーマーが一番安いi5モデルを買うのはかなり賢い選択ということになります。オーバークロックして遊びたい!っていう人はまた別ですが。
DX12世代で論理8コアが動くという話も出てきてはいますが、実際にゲーム用でi7が花開くのはもう少し先の話になりそうです。
Broadwell-K(2015年6月モデル)
グラフィックボードをつけない、ライトゲーマーにおすすめのCPU。
性能 | i7-5775C | i5-5675C |
コア / スレッド | 4 / 8 | 4 / 4 |
周波数(定格/TB) | 3.3 / 3.8GHz | 3.1 / 3.6GHz |
内蔵GPU | Iris Pro 6200 | Iris Pro 6200 |
グラフィックスコア | 48 | 48 |
L3キャッシュ | 6MB | 4MB |
L4 (eDRAM) | 128MB | 128MB |
TDP(消費電力) | 65W | 65W |
製造プロセス | 14nm | 14nm |
ソケット | LGA1150 | LGA1150 |
対応メモリ | DDR3 / DDR3L | DDR3 / DDR3L |
2015/6/18発売モデル。製造プロセスが14nmへ微細化したモデルで、ソケットはLGA1150でHaswell世代と同じ。i7-5775Cのように末尾がC(Consumerの略)になっていますが、倍率ロックフリーのオーバークロック可能なモデルです。内蔵GPUが大幅に性能アップした他、定格クロックが下がった分、Devil’s Canyonよりも通常使用の消費電力が低くなっています。
最大の特徴はIris Pro 6200と呼ばれる強力な内蔵GPUで、旧世代のi7-4790Kが搭載するIntel HD Graphics 4600よりも最大で2倍近い性能を持っています。また、AMDのAPU最高峰であるA10-7870Kよりも性能が高いです。eDRAMと呼ばれる128MBのL4キャッシュを備えており、メモリ帯域を多く使うゲームでは特に有効です。また、QSVと呼ばれる動画変換を助ける機能も4790Kより約2倍に性能アップしています。
ただし、値段が高いわりにCPU性能は4790Kと大して差がなく、内蔵GPUはグラフィックボードをつける多くのゲーマーにとってあまり意味がないので、人を選ぶCPUになっています。4790Kが買えるうちは、値段ほどの性能差を見い出せないので、軽いゲームしかしない人や、そもそもゲームをしない人におすすめと言えそうです。
定格の周波数は、4790Kよりも低い分、オーバークロックをしないとベンチマークでは負けることが多いです。ただし、オーバークロックをして4.2GHzまであげれば、4790Kの定格よりは性能がちょっと上になります。同じ周波数ならBroadwell-Kの方が性能が上ってことですね。ただ、どうも一般的なオーバークロッカーが常用の範囲で動かす分には4.2GHzあたりがいいところのようで、当たりを引かない限り、性能を求める一般的なオーバークロッカーには4790Kの方がいいかも。4790Kは空冷でもわりと簡単に4.6GHzまでOCできて、当たり石でなくても、ちょっと電圧をいじったり、殻割りしたりすれば4.7~4.8GHzくらいまでは狙えますからね。
Skylake-S(2015年8月モデル)
第6世代の最新CPU。ゲーム配信・動画編集などよくエンコードをする人にはi7-6700K、コスパ重視の人にはi5-6600Kがおすすめ。
性能 | i7-6700K | i5-6600K |
コア / スレッド | 4 / 8 | 4 / 4 |
周波数(定格/TB) | 4.0 / 4.2GHz | 3.5 / 3.9GHz |
内蔵GPU | HD Graphics 530 | HD Graphics 530 |
L3キャッシュ | 8MB | 6MB |
TDP(消費電力) | 91W | 91W |
製造プロセス | 14nm | 14nm |
ソケット | LGA1151 | LGA1151 |
対応メモリ | DDR3L / DDR4 | DDR3L / DDR4 |
2015年8月5日発売モデル。Skylakeでは新たにソケットがLGA1151になり、メモリがDDR4-2133にも対応しています。何気にDDR3Lにも対応してるので、対応マザーボードを買えばメモリは案外安く済ませることができます。i7-6700Kはi7-4790Kよりも10%くらい性能が高いです。i7-4790Kから買い換えるメリットは薄いですが、SandyBridgeより前のCPUからなら十分、買い換える価値はあると言えます。
オーバークロックは4.8GHzあたりに壁があるようですが、当たり石なら5GHzも狙えるかもしれません。殻割りで負荷時最大20℃近くまで下がるので、相変わらず万力とLIQUID PRO+は有効です。ただ、基盤がちょっと薄くなっているので、殻割りの難易度がDevil’s Canyonよりも高いです。i7は特に高いので、リスクを考えた上で慎重にやりましょう。
オーバークロックの効果は十分にあり、ビデオカードをつけた状態でも、ゲームパフォーマンスが確実に上がります。ただ、Intelが頑張って抑えた消費電力がOCすると一気に上がるので、それでもいいという人向け。簡易水冷とまではいかなくても、空冷の大型クーラーは用意しといた方がよさそうです。ちなみにi7-6700Kとi5-6600Kにはintel純正クーラーは付属してないので、別途、自分でクーラーを用意する必要があります。注意してください。
今後のCPU
ここにきてプロセスの微細化に限界が見えてきました。小さくなりすぎて、技術的にムーアの法則を維持するのが大変。intelのTick-Tock戦略は14nmが遅れたことにより、10nmの量産化も2017年にずれ込むようです。現段階では14nmのSkylake-S→Kaby Lake、その次に10nmのCannonlakeまたはIce Lakeとなる予定です。微細化ができないとなると、更なるGPUの強化、もしくはコア数自体が増えるか、その辺はintelの戦略次第ですね。
Haswell-E(ハイエンドモデル)
2枚以上のビデオカードをつける人、予算がたくさんある人におすすめ。
性能 | i7-5960X | i5-5930K | i5-5820K |
コア / スレッド | 8 / 16 | 6 / 12 | 6 / 12 |
周波数(定格/TB) | 3.0 / 3.5GHz | 3.5 / 3.7GHz | 3.3 / 3.6GHz |
内蔵GPU | – | – | – |
L3キャッシュ | 20MB | 15MB | 15MB |
L4 (eDRAM) | – | – | – |
TDP(消費電力) | 140W | 140W | 140W |
PCI-E レーン数 | 40 | 40 | 28 |
製造プロセス | 22nm | 22nm | 22nm |
ソケット | LGA2011-v3 | LGA2011-v3 | LGA2011-v3 |
対応メモリ | DDR4-2133 | DDR4-2133 | DDR4-2133 |
ハイエンドモデルは値段が高く、かなり人を選ぶCPUです。先に述べたように、なかなか6コア・8コアに対応するアプリケーションがなく、ゲームでも通常の作業でも思うように性能を発揮できません。DDR4対応、半田付け、PCI Expressが最大40レーンなどの特徴を理解した上で、オーバークロックして楽しんだり、ベンチマークを見てにやにやしたりとか、どちらかというとそういう類のCPUになると言えるでしょう。
ただ、ビデオカードを2枚以上つける場合は有効な場合があるので、そういう構成の人にはおすすめできます。i7-5930X以上ならPCI Expressが最大40レーン使えるので、PCIe3.0の16レーンx 2などの構成が可能です。超ド級のビデオカードを何枚もつける構成だと、i7-5960Xでもボトルネックになったりしますし。まぁビデオカードを2枚以上さしてもドライバやゲーム側が対応していないと何の意味もないので、一般的なゲーマーには一枚の方がおすすめなんですが。価格的な意味でもそういう意味でも、やはりニッチなCPUと言えますね、