BenQ ZOWIE EC1 レビュー。シンプルを極めたゲーミングマウス!

ゲーミングデバイス

今回は「BenQ ZOWIE EC1」のレビューだ。小さくて軽い「BenQ ZOWIE EC2のレビュー」も参考にしてほしい。

BenQ ZOWIE EC1とは?

Counter Strikeシリーズの伝説的プレイヤーであるHeaton氏が携わっていたZOWIE GEARというゲーミングデバイス会社を2016年にモニターで有名なBenQが買収し、現在のBenQ ZOWIEとなる。Heaton氏の本名はEmil Christensenで、その頭文字を取った 初代の「EC1、EC2」というゲーミングマウスが2010年に発売された。このマウスが今なお愛されており、同社の代表的なマウスとなっている。この初代モデルからおおまかな形状はそのままに、2年間隔ほどで中身のセンサー部分や細かい点を刷新することで、マイナーアップグレードを重ね、EC eVO、EC-A、EC-Bなどの名前でリリースされてきた。今回はその2019年新型モデルで、2015年型のEC-Aと2018年型のEC-Bの良い所を取ったモデルとなっている。名前は原点回帰とも言える「BenQ ZOWIE EC1、EC2」だ。企業より製品提供があったので、じっくりとレビューしていく。

長所

〇トップクラスのセンサー性能。マウスをぶんぶん振り回してもしっかり追従する。
〇かぶせ持ちが非常にしやすい。ぴったりとフィットする。
〇左右のメインボタンは連打しやすく、しっかりとした感触。
〇大きいサイドボタンが押しやすい。
〇布製マウスパッドで1.3mmとリフトオフディスタンスが比較的短い。
〇専用ソフトのインストールがいらない。どのパソコンでもすぐ使用できる。
〇ケーブルがめちゃくちゃ柔らかく、操作しやすい。

短所

×97gとやや重い。最近は70gなど超軽量級も増えてきた。
×専用ソフトがない分、他社製のものより機能が少ない。直線補正、マクロ、LEDなど。

実測のスペック

・通信方式:有線
・センサー:光学センサーはPixart製、PMW3360
・形状:右利き専用
・トラッキング速度:250IPS
・解像度:400、800、1600、3200
・大きさ:横120mm、縦64mm、高さ40mm
・重量:公称97g(ケーブルなし)、実測97g。
・メインボタンスイッチ:HUANO製の青色スイッチ、耐久性能2000万回
・サイドボタンスイッチ:HUANO製の赤色スイッチで、耐久性能は不明。
・ホイールボタンスイッチ:HUANO製の赤色スイッチで、耐久性能は不明。
・ホイールエンコーダー:無刻印、16回刻み
・リフトオフディスタンス:布製マウスパッドで1.3mm、プラスチック製マウスパッドで1.5mm
・リフトオフディスタンス調整機能なし
・マイクロプロセッサ:TXC社製7Cシリーズの「TXC 7C64356 48L」
・ドライバレス機能あり
・マクロ機能なし
・レポートレート:125Hz、500Hz、1000Hz
・LED:非搭載
・ボタン数:5個
・加速:なし
・直線補正:なし
・ケーブルはビニールでやわらかめ
・保証期間:1年間
・センサー位置:中央
・発売日:2019年11月29日
・マウスソール:テフロン(PTFE)
・表面加工:マット加工

使い心地とレビュー

クリック感
左右のメインボタンは押しやすくて作りがいい。やや柔らかさを持っているが、連打しやすく、遊びはあまりない印象。HUANO製だがオムロン製と比べても変わらないと感じる。サイドボタンは大きくて押しやすい。僕は硬めが好きなので、柔らかく感じるがふつうの人には必要十分だろう。

ホイール
ZOWIEのホイールは他のメーカーとは違い、特殊な作りだ。ふつうは24回まわすと一回転する24回刻みのホイールなのだが、ZOWIEの製品はこれが16回と少なくなっている。だから一回の間隔が広い。この作りをいいと思うか悪いと思うかで好みが変わってくるのだが、僕は好き。このマウスもZOWIEらしい広い間隔ときっちり回せるホイールに仕上がっている。ただ、少しゆるめの作りなので、1年~2年使っていくと経年劣化で気になってくるかもしれない。

大きさ、持ちやすさ、形状
形状は大きめで、かぶせ持ちに適しており、しっかりと握ることができる。表面加工で滑らないし、手に吸い付くので、ぶんぶん振り回せて快適に操作できる印象だ。シンプルな形状だが、これがやっぱり一番だというZOWIEファンも多いだろう。形状としてはMicrosoft IE3.0、Razer Deatchadder、Logicool G400、Steelseries Rivalなどに似ている。

表面加工
滑りにくいやや光沢があるマット加工になっている。側面も上面も同じような肌触りで、乾いた手で触るとサラサラしている。しかし、持ってちょっと汗をかくと途端に吸着力が増す仕様になっている。ホールド感はばっちりだ。

ソール
ソールはハイセンシ用の大きめだ。この点が2018年モデルのEC1-Bと大きく異なる点。従来の大きめのソールの方が一般受けがよかったようで、2019年モデルの本製品ではこちらに戻っている。一般のPCゲーマーはミドル~ローセンシプレイヤーよりは、ハイセンシの方が多い(もともとがハイセンシでそのままプレイする人が多い)ので、こちらに寄せた形になるのだろう。プロゲーマーはローセンシが多く、滑りがいい小さめのソールの方が良いという声を聞いた形でEC1-Bでは小さいソールが採用されたと思うが、従来のソールに慣れた人にとってみれば違和感が強かったようだ。

裏面のボタン
裏面のボタンはDPI変更ボタンとポーリングレート変更ボタンがある。これらはAIMに直接作用するマウスの設定なので、ユーザーがソフトではなく、ボタンという物理的なもので管理できるのは安心できる。ただしその分、重量が増えるという問題点もある。

ケーブルや付属品
ZOWIEのケーブルは非常に柔らかくて、素晴らしい出来だ。今回もそれを踏襲する形で、ビニール製のケーブルが使われている。ローセンシプレイヤーにとってケーブルが硬いと操作しにくいので、これは嬉しい点だろう。付属品は替えのソールが1セット付いている。EC1-Bは小さいだけに4セット付いていたことを考えるとちょっと残念な気もするが、仕方のないことだろう。

実写画像

リフトオフディスタンス検証

リフトオフディスタンスとは、マウスのセンサーが反応しなくなる高さのこと。布製とプラスチック製のマウスパッドを用意して、0.1mmのコピー用紙を重ねていき、リフトオフディスタンスを検証した。結果は以下の通りだが、布製マウスパッドでは1.3mmと比較的短いリフトオフとなった。長くなりやすいプラスチック製でも1.5mmと合格ラインの2mm以下を余裕持ってクリアしている。

布製マウスパッド
SteelSeries QCK:1.3mm
Artisan Zero:1.3mm
Roccat Dyad:1.3mm

プラスチック製
Logicool G440t:1.5mm

過去モデルとの違い

過去モデルとの違いを列挙した。2019年型は原点回帰とも言えるEC1と名前が付いているので、これが一番良いんだというアピールのような気がする。

EC1-A(2015年モデル)
・センサー:PMW3310
・リフトオフディスタンス:1.3~2.1mm
・マウスホイール色:白
・底面のボタン:1つ(DPI)
・ソール:大きい半円型が上下に2つ

EC1-B(2018年モデル)
・センサー:PMW3360
・リフトオフディスタンス:1.3~1.5mm
・マウスホイール色:黒
・底面のボタン:2つ(DPI、ポーリングレート)
・ソール:小さいソールが端に4つとセンサー周りにドーナツ型1つの計5つ

EC1(2019年モデル)
・センサー:PMW3360
・リフトオフディスタンス:1.3~1.5mm
・マウスホイール色:黒
・底面のボタン:2つ(DPI、ポーリングレート)
・ソール:大きい半円型が上下に2つ、センサー周りにドーナツ型1つの計3つ

重量

実際に計量器にのせて測ると、ほぼ公称通りとなる97.7gであった。最近はハニカム構造による超軽量マウスや、無線軽量マウスも増えているだけに、やや重いと言わざるを得ない。ただ、大きいモデルなので仕方がないなとは思う。

直線補正
GIMP2.10を使って直線補正を調べた。円になるようになるべく丸く書いたが、直線補正は感じられなかった。専用ドライバはないので、直線補正を望むプレイヤーでも入れることはできない。

センサー性能のチェック

MouseTester 1.2を使用して、マウスのトラッキング性能を検証した。青線が横移動、赤線が縦移動を表し、点と線が綺麗に描けていればいるほど、追従性能が高いということになる。結果は以下の通りだが、素晴らしいセンサー性能だ。折り返しでも乱れがなく、きちんとトラッキングできている。会社のコンセプトがプロゲーマーが求めるものに応えるというだけに、ここは流石としか言いようがない。体感でもポインタ飛びなどはなく、きっちり操作できていた。

分解して中身を確認

センサーは「PMW3360DM-T2QU H8473434CG」だ。左右メインボタンはHUANO製の青色スイッチで、耐久回数は2000万回。サイドボタンとホイールボタンスイッチは、HUANO製の赤色スイッチで、耐久回数は不明。裏面のDPIとポーリングレートボタンは、無刻印の製造元不明。ホイールエンコーダーの製造元は不明。マイクロプロセッサー(制御チップ・MCU)は、TXC社製7Cシリーズの「TXC 7C64356 48L」だ。メイン基板は「KS-1751-M01 Rev:A 2017-12-11」で、サブ基板はM02となっている。ホイールの中身に山形の凹凸があり、これが一回ごとの区切りをつけていて、使用していくうちに徐々にすり減っていく。

大きさ、形状比較

左から①Xtrfy M4 RGB、②Logicool G304、③BenQ ZOWIE EC1、④SteelSeries Sensei 310だ。小さめのマウスを比較に使っているので、やや大きいことが分かるだろう。Senseiと縦の長さはあまり変わらないように見えるが、EC1の方が高さがあるので、持った感じは大きく思える。

画像

総評

総評すると「BenQ ZOWIE EC1」は、シンプルで使いやすいやや大きめのゲーミングマウスと言える。トップクラスのセンサー性能や非常に柔らかいケーブルなどプロゲーマーが求める要素をしっかりと満たしているので、幅広いユーザーにおすすめだ。