Kingston HyperX Cloud Stinger レビュー。低価格の星と言えるゲーミングヘッドセット!
今回は6000円以下で手に入るKingston社の廉価版ゲーミングヘッドセットである「Kingston HyperX Cloud Stinger」のレビューだ。
Kingston HyperX Cloud Stingerとは?
Kingstonはパソコン周辺機器を主に扱うメーカーで、そのゲーミングブランドがHyperXだ。半導体やマウス、マウスパッド、ヘッドセットなど幅広く扱っているが、日本では特にゲーミングヘッドセットのHyperX Cloudシリーズが人気で、大手レビューサイトでも高評価を得ている実績がある。
なお、今回も企業より製品提供を受けて執筆している。同製品はパソコン向けに販売されているものもあるが、今回レビューしているモデルはPS4用にチューニングされていて、ヘッドバンドにPlayStationのロゴがある。また、ヘッドフォンとマイクの端子を分割する延長コードが付属していない。PC用モデルはロゴがなく、延長コードがついているのであしからず。
長所
〇コストパフォーマンスが高い。安いのに高性能。
〇トップクラスの軽さ。上位モデルでもここまで軽いのはあまりない。疲れにくい。
〇CS機(PS4,XBOX ONE)に最適化されている。スマホにも使える。
〇マイクの性能が高い。クリアに声を届け、音漏れがあまりない。
〇マイクを上にあげることで簡単にミュートできる。
〇同価格帯の製品と比べると、付け心地がいい。さすがに上位モデルには劣る。
〇定位感がきちんとある。敵がどこにいるか上下左右の判別が容易。
短所
×やや横に開きにくい。付け心地にも影響している。
×横に開きにくいからなのか、ヘッドバンド(頭の上が当たる部分)がやや窮屈に感じる。
×密閉型で革製の耳当てなので、夏や長時間の使用時に蒸れやすい。
製品仕様
・タイプ:密閉型、オーバーイヤー(耳を覆う型のイヤーパッド)
・重量:公称275g、実測264.5g
・ヘッドフォンのケーブルの長さ:1.3m
ヘッドフォン
・ドライバー:ネオジム磁石、ダイナミック50mm径
・周波数応答:18Hz-23,000Hz
・インピーダンス:30 Ω
・音圧レベル:102 ± 3dBSPL/mW (1kHz時)
・T.H.D.:2%以下
・接続:3.5mmプラグ (4極)
・入力電力:定格 30mW、最大 500mW
マイク
・タイプ:エレクトレットコンデンサーマイク
・極性パターン:単一指向性、ノイズキャンセリング
・周波数応答:50Hz~18,000Hz
・感度: -40 dBV (0dB=1V/Pa、1kHz)
実写画像
音質とマイク
音質のタイプとしてはゲーミングヘッドセットによくあるドンシャリ系に感じた。この製品は全体的に高音寄りにチューニングされているが、低音もドンドンとよく鳴っている。中音は明らかに高音ぎみになっていて、他の製品よりも軽い音に聞こえる。高音もデフォルトよりやや高く聞こえる。ドンシャリ系とは低音はドンドン、高音はシャリシャリと強調して聞こえることから、この名が付いているが、この製品は比較的マイルドな調整に感じた。そこまで極端ではない。
ゲーム用途では高音強調がFPSにおける「足音を聞く」ということに有利になる。低音は強調することで映画のような迫力が出る。音楽用途ではそこまで悪くないように思えるが、中音域が軽い音になっているので、中音の綺麗さは音楽用ヘッドフォンには敵わない印象。
FPSでの足音と定位感
前述の高音強調と大口径ドライバーが相まって足音は上下左右きちんと聞こえる。上位モデルはもっと分かりやすい。
マイク
マイクの性能は非常に高い。自分の声をクリアに相手に届けることが出来る。この価格帯では随一と言えるかもしれない。Kingstonの良さが一番出ている所だと思う。上にあげることでミュートにできるのも便利。ただし、取り外しはできない。
付け心地や使用感
付け心地は低価格のゲーミングヘッドセットの中では良好と言えるだろう。耳をすっぽりと覆うオーバーイヤー型で、音漏れの少ない密閉型となっている。ただ、上位モデルのKingston HyperX Cloud Alpha Sなどと比べると、どうしても見劣りするのは確か。上位モデルは耳の横と上下をふっわふわに包んでくれていて、装着していて気持ちよかった。しかし、これは横に開きにくい分、両側からの圧迫感と上の窮屈感がややあるように感じる。もし付け心地にもこだわりたい!というのであれば、上位モデルをおすすめする。
音量調節ボタン
音量調節はヘッドセットの右側についている。8段階から環境に合わせて設定できる。僕はあまりインライン(コード上)の音量調節は使わないのでこちらの方がスマートでいいと思った。
耐久性
外側がプラスチックで出来ていることから、耐久性はそこまでない。上位モデルとなるKingston HyperX Cloud Alpha Sなどは剛性に長けたアルミフレームで形成されているのを考えると、やや見劣りする。しかし、プラスチックで出来ている分、軽くて疲れにくいことを考えるとトレードオフと言えるだろう。
重量
実際に重さを測ると、264.5gであった。公称が275gなので、妥当な結果に。着用してみると非常に軽いのが実感できた。重いと長時間の使用で疲れやすくなってくるので、これは嬉しいポイントと言える。
画像
総評
総評すると「Kingston HyperX Cloud Stinger」は低価格のゲーミングヘッドセットとして、コストパフォーマンスに優れた製品だ。FPSに必要とされるマイクの音漏れの少なさや定位感など、この価格ながらきちんとゲーム用に適するようにデザインされている。予算の少ない初心者や学生におすすめだ。更なる付け心地の良さや耐久性を求めるのであれば、上位モデルを選ぶといいだろう。