コスパ抜群のゲーミングヘッドセット Kingston Hyper X Cloud レビュー
コストパフォーマンス抜群のKingston製のゲーミングヘッドセット"Hyper X Cloud“のレビューです。価格は11,880円(2014/10/11)
今回はKingston Technologyより提供して頂いたんですが、いつも通り公平なレビューをしていきたいと思います。
どんな製品にも必ず短所があります。僕は、ユーザー側がそれを分かった方が安心して買えると思います。短所を許せるデバイスを買うのが賢い選び方でしょう。
色が2種類あって、黒の型番がKHX-H3CL/WR、白がKHX-H3CLWです。僕は黒を選びました。
どんなゲーミングヘッドセット？
KingstonはPCメモリーで有名なメーカーです。本社はアメリカ。PCメモリーの他にはSSDも出してますね。僕は趣味が自作PCなので以前から知っていましたが、そうじゃない人はあまり聞いたことがないメーカーかもしれません。
“Hyper X"というのがブランド名で、高性能という意味。ゲーマー向けメモリーやSSDにこの名前が使われています。
このゲーミングヘッドセットはQPADという、スウェーデンのゲーミングデバイスメーカーと共同で作成されたものです。
長所
・1万円前後で、ゲーム用ヘッドセットとして必要十分な性能を持っている。コストパフォーマンスが高い。
・FPSで足音がばっちり聞こえる高音強調設計（音質）。僕の環境では、サウンドカードを付けてなくても何の問題もなかったです。
・定位感が良く、FPSで敵がどこにいるのか分かりやすい。（5.1chサラウンド機能はない）
・マイク性能は値段以上でかなり良い。自分の声がクリアに伝わります。
・密閉型ヘッドセットで、大音量にしても音が漏れない。ボイスチャット(VC)でゲーム音が相手に漏れることはないです。
・締め付けがちょうど良く、付け心地が良いので、メガネをつけないなら長時間使用も可能。低反発イヤーパッドは少し細長く、耳をすっぽり包んでくれます。
・付属品が豊富で高級感が漂う。特に革のイヤーパッドと布のイヤーパッドを最初から選べる製品はなかなかないです。
短所
・高音を強調するので、FPSゲームには最適だが、音楽にはあまり向いていない。
・ゲーミングヘッドセットの中では、少し重いほう。
・密閉型なので仕方ないが、革製のイヤーパッドは何時間か使用すると夏は蒸れて汗が出やすい。また、メガネを付けると3時間くらいで耳が痛くなる。
・説明書がなく、人によってはイヤーパッドの外し方や付属品の使い方が分からない。
・ロゴのデザインで好みが分かれる。
※最初の3つは最高レベルのゲーミングヘッドセットでも同様の問題点が出るため、仕方がない点ではあります。音漏れせずに、メガネを普通にかけたまま、汗が出ないヘッドセットなんてありません。
スペック
ドライバーは53mm径。分類は密閉型（布製イヤーパッドは開放的になる）。ケーブルとマイク含む重さは350g。接続は音とマイクともに3.5mmミニジャック。
付属品は布製イヤーパッド、取り外し可能マイク、マイクミュート機能付きコントローラーケーブル、2メートルの延長コード、持ち運び可能なメッシュバッグ、ヘッドセットスプリッター（音を一つにまとめるケーブル）、マイクのふた、飛行機座席用の接続プラグ。
保証は2年。周波数特性やインピーダンスは見ても分からない人が多いと思うので、省略します。気になる人は公式ページを見てください。
音とマイクのレビュー
音質については、高音がよく聞こえる感じで、足音など重要な音が聞こえやすく、FPSゲームなどに有利な設計になっています。
また、ステレオ(2ch)での定位感が良く、AVAやBF4などのFPSゲームで敵の位置がはっきり分かります。5.1chサラウンド機能はありませんが。
ただ、音楽にはあまり向いていないかなぁと思います。高音が多い音楽ではちょっと疲れる感じというか、高音の鳴りが耳につく感じ。
イコライザの設定次第では、緩和できるとは思います。逆にいうと、ゲームにしかヘッドセットを使わない人には安心できる選択肢になりますね。
ドライバーが53mmと大きいので、高音質再生が可能です。Hi-Fi対応で、低音から高音まで細かな音も再現できます。
マイクの音質は値段以上の出来でかなり良く、自分の声がクリアに相手に伝わります。また、周りの音を拾いにくいです。僕の場合は、ヘッドセットを替えたらすぐ周りから「声がクリアになったよ！」って言われました。
取り回しも良好で、自分の好きな位置にマイク部分を持ってくることができます。
また、革製のイヤーパッドは密閉性が高く、音漏れがほとんどありません。僕は足音を聞くためにかなり音を大きくしてるんですが、それでも味方に音が漏れることはなかったです。付属の布製のイヤーパッドに変えると、逆に開放的になります。
FPSにおいて、ゲームの音漏れが味方に伝わるのは致命的なので、この点はかなり良いと言えるでしょう。
付け心地や付属品のレビュー
低反発の革製レザーパッドで、付け心地はかなり良いです。密閉型にしては締め付けが弱く、音漏れがないため、長時間の使用もできる形になっています。
また、イヤーパッドは細長い形状で、耳をすっぽり包んでくれます。
ただ、革製のイヤーパッドだと夏は蒸れて、汗が出やすいです。また、メガネをかけて使用すると、何時間か後に痛くなってきます。この辺りは密閉型だと仕方ないところではあります。
両端の長さを調整できるヘッドバンドのフレーム部分はアルミニウム製で、耐久性が高いです。ただ、この部分でちょっと重くなっているのかなという印象。
ヘッドバンドの頭頂部は柔らかいクッション素材で、頭の大きい人でも痛くなることはあまりないでしょう。
ケーブルは布製の編みこみ式で、柔らかくて取り回しやすいです。2メートルの延長ケーブルは普通のコードですが、こちらも絡まりにくいです。
コントローラーにはミュート機能とボリューム調節機能がついています。特にボタンを押している間だけミュートにするボタンと、スイッチ切り替え式のミュートボタンは便利。
付属品が豊富で、特に布製のイヤーパッドが最初から付属しているのは珍しいです。また、コントローラー付きの延長コードの他に、別途2メートルの延長コードが付いているのもなかなかないと思います。
持ち運び用のメッシュバッグが付いているので、オフライン大会でも安心です。iPhoneなどに接続できるケーブルや、飛行機の座席に接続できるプラグ、ヘッドフォンとして利用するときのマイクのふたなど、細かな付属品もいいですね。
説明書がないので、人によってはこれらの付属品が何なのかわからないと思います。公式サイトを見れば分かるんですが、ちょっと不親切かも。
ヘッドセット全体のデザインはよく、白と黒の2種類が選べます。ただ、ロゴのデザインがいかにもアメリカっぽいというか、派手なので、シンプルなものが好きな人は気になるかもしれません。
ゲーミングヘッドセットの新定番になり得る！
総評としては、かなりおすすめのゲーミングヘッドセットになります。
1万円前後でこれだけの性能をもっているゲーミングヘッドセットはなかなかないです。
FPSにおいては特に、足音がしっかり聞こえる・定位感がある・音漏れがない・自分の声がクリアに伝わる・付け心地が良くて長時間使用できるという、5つの要素が重要で、これらが全て揃っている製品が1万円以下ではほとんどありませんでした。
2万円以上出せば、これらが揃うのは当たり前で、そこまでは出せないけど、安く良いものが欲しいって人に特におすすめのゲーミングヘッドセットです。