Xtrfy M4 RGB レビュー。超軽量ゲーミングマウスの実力はいかに!?

ゲーミングデバイス

今回はXtrfy製のゲーミングマウス「Xtrfy M4 RGB」のレビューだ。このマウスはプラスチック部分を穴だらけにすることで大きな軽量化を図ったモデルである。ハニカム構造とも呼ばれるこういった作りは、無線ゲーミングマウスが流行る中で、有線の特徴を最大まで生かした究極系とも呼べる。今回は日本発売前に企業より製品提供を受けたので、じっくりとレビューしていきたいと思う。色はランダムで灰色だった。ちなみにハニカム構造はハチの巣が正六角形を隙間なく綺麗に並べている様を表すが、このマウスは丸型だ。

Xtrfyとは?

スウェーデンに本社があるゲーミングデバイス専用メーカー。2000年に設立されて、CSGOの有名チームであるNinjas in Pyjamas(NiP)と共同開発しており、社員はゲーミングハウス内に同居している。マウス、マウスパッド、キーボード、ヘッドセットなど幅広く手掛けている。CSGOのNiPと言えばf0rest選手やGeT_RiGhT選手などカウンターストライクシリーズの伝説的プレイヤーが2019年現在でも活躍する世界トッププロ。チーム名にNinjaという名前が入っているから、僕も大きな大会では配信を見ながら応援していた過去がある。彼らのAIMは超人的なので、その彼らが監修したとあれば期待できるのではないだろうか。

長所

〇圧倒的な軽さ。肉抜きによって71gを実現。
〇軽いので瞬間的なAIMの微調整がしやすい。追いAIMがしやすくなった。
〇リフトオフディスタンスが布マウスパッドで1.0mmと非常に短い。かなり使いやすい。
〇世界のトッププロが監修し、実際に使用するので信頼性が高い。
〇日本人が持ちやすい小型モデル。浮かせやすくて操作しやすい。
〇専用ドライバのインストール不要。つなげばすぐプレイできて不具合が少ない。
〇最新のセンサーを搭載しており、最高クラスの追従性能を持つ。
〇バックライトの発色が綺麗で10種類の様々なパターンから好きなものを選べる。
〇左右メインボタンにオムロン製を使用しており、耐久性や押し心地がいい。
〇ケーブルが非常に柔らかく、取り回しやすいので使いやすい。
〇かぶせ持ちもつまみ持ちもできる万人向けの形状。
〇付属品が豪華。ソールとふたつのキーキャップ。

短所

×触り心地が良くない。手のひらをデコボコの穴に押し付ける。痛くはないが、むずがゆい。
×LEDをオンにすると開いた穴から中身の熱が手に伝わってやや熱い。夏は汗をかきやすい。
×飲み物を上からこぼすと中身に浸透するので、動作不良に陥る危険性がある。
×専用ドライバがない分、機能が少ない。直線補正、加速、マクロ設定がない。

製品仕様

・通信方式:有線
・センサー:光学センサー「PMW3389DM-T3QU」
・形状:右利き専用
・トラッキング速度:400IPS
・解像度:400、800、1200、1600、3200、4000、7200、16000 CPI
・大きさ:横60mm、縦120mm、高さ39mm
・重量:公称71g、実測71g
・メインボタンスイッチ:オムロン製 D2FC-F-7N(20M)(OF)、耐久性2000万回
・サイドボタンスイッチ:HUANO製、耐久性不明
・ホイールスイッチ:HUANO製、耐久性不明
・バックライト用LEDスイッチ:HUANO製、耐久性不明
・ホイールエンコーダー:F-SWITCH製、24回刻み
・リフトオフディスタンス:布製マウスパッドで1.0mm、プラスチックで1.2mm
・リフトオフディスタンス調整機能なし
・マイクロプロセッサ:WTU301 N36C-C 1917-C S2SF9、32bit ARM
・ドライバレス機能あり
・マクロ機能なし
・レポートレート:125Hz、500Hz、1000Hz
・LED:搭載
・ボタン数:8個
・加速:なし
・直線補正:なし
・ケーブルは布巻きで超やわらかめ
・保証期間:1年間
・センサー位置:中央
・マウスソール:PTFE(テフロン)
・表面加工:UVコーティング、マットな肌触り

使い心地と体感レビュー

まず一番驚いたのは圧倒的な軽さだ。普段僕はSteelSeries Sensei 310のクローンであるDreamMachine DM1 PRO Sを使っていて、このマウスも85gとかなり軽いのだが、Xtrfy M4を持った瞬間に「かるっ!」と言ってしまうくらいの衝撃があった。軽ければ疲れにくいのはもちろんのこと、使用していて思ったのがAIMの瞬間的な微調整ができることだ。今までだともうちょっと左だったって思っても体がついていかなかったのが、この軽さによって自然と動くのだ。要は追いAIMの向上である。これは嬉しい誤算であった。オーバーウォッチなど180度振り向く必要があるゲームで特に顕著だと思う。振り向きがやりやすい。

ハニカム構造について
クリックする部分以外は、上下左右すべてハニカム構造だ。はっきり言うと手触りはいいとはいえない。複数の穴に手のひらの肉を食いこませている状態なので、痛くはないけれども、むずむずしてかゆい感じだ。これはもう仕方がない。この形状のマウスを使う宿命みたいなものだろう。

クリック感
左右のメインクリックはオムロン製を使っているだけあり、良好だ。やや硬めのクリック感なので連打しやすい。サイドボタンはやや細めだが押しやすい。スイッチも定評のあるHUANO製だからオムロンほどの信頼性はないけれども申し分ない。

ホイール
ホイールはやや硬めの回し心地でしっかりとひとつひとつ回せるので良好だ。ただ、ホイールは経年劣化で一番壊れやすい部分。買ったばかりはいいが、1年から2年使っていくと擦れて柔らかくなると思われるくらいの硬さだ。ガチガチの硬さではなく、回す中でちょっと柔らかく感じる。ホイールエンコーダーはF-SWITCHの刻印があった。僕は見たことなかったが、使用している中で特に問題はなかったから大丈夫だろう。無記名のエンコーダーも多いので刻印があるだけマシだろう。

LEDバックライト
照明は良い部分と悪い部分がある。良い点は発色が綺麗で、真ん中のボタンを押すことで10種類の様々なパターンの発色から選べること。じわじわとレインボーに光りながら発色するパターン、点滅しながら色を変えていくパターン、高速で色が変わっていくパターン、単色など自分の好きな種類にできるので満足度が非常に高い。このマウスにRGBバックライト搭載のキーボードなどを組み合わせると一気にカラフルなゲーム環境が実現できるだろう。悪い点は光らせると開いた穴から内部の熱が手のひらに直接伝わって、ほのかに熱いこと。冬はいいのだが、夏は暑くなるので特に汗をよくかく人には良くない。気になる人はオフにしよう。

大きさ、形状、持ちやすさ
マウス自体の大きさはやや小さめなので、日本人に合いやすくなっている。浮かせやすくて操作しやすいので、個人的には好き。形状は右手専用だが、癖がなく扱いやすい。かぶせ持ちも、つまみ持ちもどちらも対応しているので万人向けだ。

表面加工
手のひらがあたるマウスの上面にはややざらつきのある滑り止め加工が施されている。ハニカム構造も相まってしっかりと持てるので好印象だ。左右の面には施されておらず、プラスチックそのものといった感じ。上面がしっかりしているので左右はなくてもあまり違和感はない。

裏面のボタンとソール
裏面にはCPI変更ボタンとリフレッシュレート変更ボタンがついている。この設定次第で大きく使い心地が変わってくるため、物理ボタンで制御できるという安心感はプラス印象だ。ただ、これらを内蔵しないことによって更なる軽量化は図れたかもしれない。ソールはほどよく滑る。やや止めやすさに重きをおいた作りの印象。あまりに滑りすぎないのは本体が軽いためだろう。

ケーブルや付属品
ケーブルは非常に柔らかいので優秀だ。大きめの布巻きなのだが、ふにゃふにゃしている。珍しいのは中の線に対して、外側の布巻き部分の半径が倍ほどあることだ。だから布の部分をつまめてしまう。大きい袋のなかに細い線が入っている感じで、それが独特のふにゃふにゃした感じを出している。有線最高クラスの柔らかさから、ケーブルの重さは全く感じないものの、さすがに無線の自由度には劣る。ケーブルの長さは公称1.8mだが2mに感じるくらい長く、必要十分だ。付属品にはソールがついている。予備のソールがついていないマウスも多いのでこれは好印象と言えるだろう。またおまけとしてキーキャップふたつが付いている。

実写画像

リフトオフディスタンス検証

布製とプラスチック製のマウスパッドを用意して、0.1mmのコピー用紙を重ねていき、リフトオフディスタンスを検証した。結果は以下の通りだが、非常に優秀で使いやすいリフトオフだ。布製ではトップクラスの短さと呼べる1.0mm、プラスチック製は長くなりがちだが、それでも1.2mmと非常に短い。リフトオフは使いやすさに大きく直結するので、これは大きなプラス点だろう。

布製マウスパッド
SteelSeries QCK:1.0mm
Artisan Zero:1.1mm
Roccat Dyad:1.0mm

プラスチック製
Logicool G440t:1.2mm

重量と直線補正

実際に計測器に乗せると、重量は公称通り71gだった。80gでもかなり軽い方なので、トップクラスの軽さだ。

直線補正
ペイントでできるだけ丸い字を書いて直線補正を調べた。結果が上図だが、直線補正がかかっているようには感じなかった。きちんと切れている。設定でもオンにすることはできないので、直線補正を望む人でも入れることはできない。

センサー性能のチェック

MouseTester1.2を使ってセンサーの性能をチェックした。400、800、1200、1600、3200、4000、7200、16000 CPIごとにポーリングレート1000Hzで計測。2.5秒の間に高速で5回の円を描いてテストした結果が下図だ。PMW3389の特徴とも呼べるのだが、このセンサーを採用している他のゲーミングマウス同様、折り返しがやや不安定で少し内側に寄る傾向がある。実際に使用した感じだと問題はないのだが、テスト結果ではこうなっている。この結果はポーリングレートが1000Hzのときに起こりやすく、試しに500Hzで計測したところ、かなり綺麗な曲線が描けていた。それが一番下の画像だ。最新のセンサーなのでポインタ飛びはないと思うが、不安ならば500Hzにして運用することをおすすめする。

500Hz-400DPI

分解して中身を確認

センサーは公称通り「PMW3389DM-T3QU」だ。左右のメインボタンスイッチはオムロン製の「D2FC-F-7N(20M)(OF)」。サイドボタンはHUANO製で耐久回数は不明。ホイールスイッチとバックライトスイッチもHUANO製で耐久回数は不明。ホイールエンコーダーはF-SWITCHの刻印が入っていた。マイクロコントローラー(制御チップ)はWTU301 N36C-C 1917-C S2SF9。中身は軽量化のためにシンプルな構造になっていたが、バックライト用のLEDランプは10個も搭載されていた。

大きさ、形状比較

左からLogicool G304、SteelSeries Sensei 310、Xtrfy M4 RGB、BenQ ZOWIE EC2-Aだ。小型のマウスばかりを並べているがほぼ同じくらいの大きさなのがわかるだろう。横から見た背丈もあまり変わらない。

公式画像

総評

総評すると「Xtrfy M4 RGB」プロゲーミングマウスはハニカム構造のマウスとして完成度の高い製品と言える。圧倒的な軽さに加え、最新のセンサーや短いリフトオフディスタンス、柔らかいケーブルなど長所が光る。一方でハニカム構造の弱点である肌触りやバックライトの熱の問題もあるので、こういった点を許せるなら迷わず買いと言えるだろう。