グラフィックボードの選び方。おすすめメーカーと気を付けるべき点について
グラフィックボードは、NVIDIAとAMDに大別される。中身のコアを作る会社がこの2社だ。まずはどちらにするのか決める必要がある。このコアによって使うドライバ、ソフトウェア、設定が違う。自分が慣れているものか、もしくはその時の性能差によって選ぶといい。ひと昔前まではNVIDIA一強が続いていたが、近年では仮想通貨の高騰によって資金力を得たAMDが投資と人材確保に成功し、現在ではどちらも甲乙つけがたくなっている。
仮にNVIDIAと決めた場合、次はどの性能のコアにするか決める。低価格のRTX 3050、中程度のRTX 3060、ワンランク上のRTX 3070、トップクラスのRTX 3080、最高位のRTX 3080 TI、のように後ろの数字が大きければ大きいほど性能と価格が上がるという構図になっている。これはもう単純に自分の予算とやりたいゲームによって決めればいい。ふつうにゲームを楽しむ分にはRTX 3060のように60番台を買っておけば間違いない。価格も手頃で、数年ごとに60番台を買い替えていけば最新のゲームが快適に遊べる性能となっている。
上位ランクを目指す場合やプロゲーマー、有名配信者を目指したいならRTX 3070以上、70番台以上を買っておくといい。ワンランク上の性能になっているので、人と差が生まれ、上位を狙いやすくなる。RTX 3080以上は予算が潤沢にある人やボーナスが出た社会人におすすめだ。80番台を持っていれば、「お、いいの使ってるね、すごいじゃん」とコミュニティ内では人気者になれるぞ。ドヤ顔したいなら80番台だ。
ただし、70番台以上はコストパフォーマンスが低くなりがちで、値段上昇分ほどの性能差は出にくくなっている。例えばRTX 3080は9万円、RTX 3090は16万円の最低価格に現在はなっているが、性能差は15%ほどしかない。また消費電力が大幅に増し、その分の熱量が増えて大型クーラーを搭載せざるを得ず、カード自体が長くて厚くて重いものになる。外排気モデルという薄いグラボも存在するが、日本ではあまり出回らない上に割高だ。
ただ、人との差が重要な対戦ゲームにおいて、グラフィックボードの性能差は直接的にランクや勝率に関わってくる。RTX 3060とRTX 3070は最低価格で2万円ほどの差があるが、この2万円の投資で様々なゲームのランクを数年間に渡って上げられるとするならば、割安と捉える人も多くいるだろう。単純に高画質でゲームをしたい、複数枚のモニターを使いたいなどそういった需要にも対応する。
ちなみに末尾にTiとついているものはそのランクより少し上の性能がある。これはTitaniumの略称になっていて、性能的にはRTX 3080 → RTX 3080ti →RTX 3090となる。中間の性能が欲しくなったら選ぶといい。
AMD製の場合
コアをAMD製にした場合、NVIDIA製を基準に同じような性能と価格のものを選ぶといい。例えば中程度の性能が欲しいならRTX 3060の対抗馬であるRX 6600、ワンランク上のRTX 3070ならRX 6750 XT、トップクラスのRTX 3080ならRX 6800 XTと言った風に。今はまだNVIDIA製を昔から使っている人が多い状況の中で、選ばれやすい傾向にあり、性能の基準となっている節がある。
メーカーを選ぶ
コアの会社と性能を決めたら、次は冷却装置と基板を選ぶ。これらを作る会社は数社あるが、その中でも人気トップ4なのがMSI、ZOTAC、ASUS、SAPPHIRE(AMD製特化)の4社だ。悩んだらこれら4つのメーカーから選んでおくといいだろう。
冷却ファン
仕様として標準的なのは2個の冷却ファンがついているものだ。中にはファンが1個だったり、3個だったりするものがあり、価格や見た目が違ってくる。予算が許すのであれば3連ファンにしておくと、2連ファンより冷える上に静かだ。低価格のものだと発熱自体が少なく、カードの長さが短かったり、ファンが1個で済む場合もある。
3スロット占有
よくある失敗例として3スロット占有のものを選んでしまってパソコンケースに入らない、内臓サウンドカードがつけられない等が考えられる。標準的なのは2スロットで、マザーボードもそれを想定して作ってあるので、こうした事態が発生する。トップクラスの性能を持つRTX 3080では、3スロットモデルが大多数になっているので、もしこれらを選ぶつもりなら自分のパソコンケースやマザーボードの大きさを確認しておこう。
補助電源
消費電力が150W以上に達するものには、電源パーツから供給される補助電源が必要だ。電源から伸びる6ピンや8ピンのケーブルをグラボにつなぐ。高性能のものを選ぶなら、電源は750W以上の容量を確保しておいた方がいいだろう。もし今使っている電源の容量が不足しているなら、グラボの消費電力が落ちたモデルにするか、電源を買い替える必要がある。
総括
まずはNVIDIAかAMDかを決め、コアの性能、価格、メーカーと順番に決めていく。その際に何スロット占有なのか、補助電源はどうなっているのか、気を付けておく必要がある。グラフィックボードの選び方にはもっとマニアックな、奥深い世界もあるが今回記載していることをしっかりと実践すれば問題ないので、参考にしてもらえれば。