使いやすい!ゲーミングマウス Cougar 530M レビュー
今回は2016年7月1日国内発売予定のe-sports向け光学式ゲーミングマウス「Cougar 530M Gaming Mouse」の先行レビューだ。
Cougar 530Mとは?
Cougar社のe-sports向け光学式ゲーミングマウスで、特にFPSに適している。現在、200M~700Mまで10製品ラインナップされており、同シリーズの中ではミドルスペック級の500系シリーズ。このシリーズは外観がほぼ変わらず、中身のセンサーが違うモデル。マウスに詳しくない人はちょっと分かりにくいが、500MはADNS-3090採用、530MはPMW-3310DH採用、550MはSDNS-3988採用で、いずれも光学式で安定性が高いマウスになっている。
いいところ
・安定性が非常に高い光学式のPMW-3310DHセンサーを採用している。
・解像度が50~5000dpiまで、幅広く対応している。
・マウス内メモリ搭載で、いつでもどこでも自分の設定でプレイできる。
・耐久性とクリック感がいいオムロン製スイッチを採用している。
・2カ所LEDを搭載しており、1680万色から選んで発光可能。
・どんな持ち方でも持ちやすい、いわゆるDeathadderのクローンモデル。
・大きくて押しやすいサイドボタン。
よくないところ
・最近のゲーミングマウスとしては公称120g(実測113g)とやや重い。
・ホイールの作りがやや甘い。
公称スペック
右手専用人体工学マウス。センサーは光学式PMW-3310DH。解像度は50~5000dpi。ポーリングレートは1000/500/250/125Hz(最大1ms)。オンボードメモリは512KB。32bitプロセッサ搭載。メインスイッチはオムロン製。フレームレートは6500FPS。最大トラッキング速度は130IPS。最大加速は30G。ケーブル長は1.8m。大きさは縦135x横70x高さ45mm。重量は120g(実測113g)。6つのプロファイル(設定)をマウス上に保存可能。DPIボタンで3種類のDPIをひとつのプロファイルで設定可能。布巻きケーブル・滑り止め加工のホイールとグリップ部分。付属品は説明書とCougarのシール。
分解によるNukkato調べ
センサーはPMW-3310DH-AWQT、左右メインスイッチは中国オムロン製D2FC-F-7N(耐久回数約500万回)を確認。
マイクロコントローラー(MCU/USBコントーラ)はNXP社のLPC11U14F/201。公称スペックの32bit ARM Processorというのはこれ。また、SPIシリアルフラッシュメモリは4MBのMXIC製MX25L4006E。
ホイールスイッチはタクトスイッチ。サイドスイッチはWと書かれた謎のメーカー。
100g以下へ!禁断の魔改造
Cougar 530Mはやや重いので、分解したついでに不要なパーツを取って軽量化。中の基盤が見えるという完全な魔改造なので、真似する場合は自己責任で。ホコリが入り、見た目がブサイクになるなど、決していいとは言えない。僕自身、人柱としてこの状態でしばらく使用してみようと思っている。左が改造後の重量で、右が不要パーツの重量。抜いたのはホイール部分のプラスチック(2g)と後方のLEDカバー(9g)とDPIスイッチ(6g)。これだけ軽くなるとやはり使っていて疲れにくく、使い勝手が全然違う。少しでも軽いマウスがいいと思っている人は試す価値があるだろう。
トラッキング検証
マウスの基本性能であるトラッキング(追従)性能を検証した。この性能が高いほど、マウス飛びなどがなく、マウスとポインタが綺麗に合って、思った通りの所に操作できる。この検証では、点と線が合い、綺麗な曲線が描ければ高性能なので、参考までに。画像には400dpi/1000Hz、3200dpi/1000Hzの2例をあげているが、他の組み合わせでも安定性が高かった。ちなみに使用したマウスパッドはSteelseries QCK heavyで、プラスチック製のLogicool G440tを使用しても同じような結果に。
レビュー
センサー
トラッキング検証(追従性能)を見れば分かる通り、最近の光学式センサーということで、どのDPI・ポーリングレートでもトップクラスの安定性を誇る。センサーはPMW-3310DH、旧AvagoのADNS-3310ということで、このマウスの他にはSteelseries Rivalが採用しており、非常に評価の高いセンサーだ。
スイッチ・ボタン
左右メインボタンは耐久回数約500万回の中国オムロン製 D2FC-F-7N(無選別品)という、最近の定番スイッチ。クリック感はカチカチとよく、反応もいい。サイドボタンおよびDPIボタンはWと書かれた謎のメーカーで、ホイールスイッチはタクトスイッチという妥協ぶりだが、ある程度低下価格でまとめるには致し方ないだろう。幸い、サイドボタンの押し心地は問題ない。
外観・持ちやすさ
本体上部はプラスチック製で、側面のグリップ部分には滑り止め加工が施してある。いわゆるDeathadderのクローンモデルなので、どの持ち方でも持ちやすいが、かぶせ持ちが一番適していると言える。きっちりホールドできるので、個人的に好印象。
ホイール
ホイールは外側がゴムで包まれているタイプでやや大きい。きちんと回せはするが、カチッカチッといかず、微妙に遅延が出てしまう感じで、作りが甘いというか、この部分でコストダウンしていると言わざるを得ない。
直線補正
直線補正はデフォルトの状態ではかかっていないと思われる。好みがあるものの、多くのFPSプレイヤーは直線補正を望まないので、この点は心配しなくていいだろう。円も特につっかかりがなく書けた。設定のAngle Snapをオンにすれば、直線補正もかけられる。
リフトオフディスタンス(LOD)
センサーがマウスを持ち上げてから何mmまで反応するかの距離をリフトオフディスタンスといい、一般的には短い方がいいとされる。このCougar 530Mの場合は、布マウスパッドで1~2mmと光学式マウスとしては短い方になる(低・中設定)。ただ、プラスチック製マウスパッドだと、低設定でも2-3mmとやや長く、中設定だと3-4mmと長かった。このマウスは布パッドを使う人に向いていると言えるだろう。ちなみに検証に使った布マウスパッドはSteelseries QCK heavyで、プラスチック製マウスパッドはLogicool G440tだ。1円玉1枚なら反応、2枚なら無反応といった具合でおおまかに調べた。
ケーブル・ソール
デフォルトのソールは大きい。滑りはふつうなので、好みに合わせて変えてもいいだろう。ケーブルは布巻きだが、やや硬い。使う前に十分ほぐした方がいい。また、このマウスはケーブルの付け根が本体の左側にあるという非常に特殊な構造となっている。ただ、使用する上では何の問題もなかったので、気にする必要はないかもしれない。
ドライバ
専用ソフトをインストールすれば、DPI(感度)・スナイパーDPI・ポーリングレート(転送速度)・直線補正・リフトオフディスタンス・ダブルクリックスピード・スクロールスピード・Windowsポインタスピード・マクロ・LEDの設定ができる。なぜか私の環境では日本語版がインストールできず、英語版をインストールしたが、直感的に操作しやすく、設定に戸惑うことがなかったので、いいと思う。
まとめ
最近のトレンドをきちんとおさえた形で、全体的に高性能な「Cougar 530M Gaming Mouse」はFPSゲーマーにおすすめ。特にDeathadderに似た形で持ちやすく、安定性が高いものを求める人は要チェックだ。やや重く、ホイールの作りが甘いという欠点はあるものの、全体的によくまとまっているのではないだろうか。気になる人は買ってみては。