めちゃ見える!赤緑色覚異常(色盲)のためのオーバーウォッチ設定
赤緑色覚異常(色盲)のためのオーバーウォッチ設定を公開する。北ヨーロッパでは男性の10%、日本では男性の5%を占める色覚異常は決して珍しいものではなく、日本でもクラスに1人はいる計算になる。その数は日本において300万人ほど。こう書くとすごい人数である。そのため、現在多くのゲームで色覚異常のための設定が少なからず用意されている。今回はその一人である僕がオーバーウォッチに適した色覚異常者のための設定例を紹介する。なぜわざわざオーバーウォッチの設定を紹介するかというと、このゲームの色覚異常設定が他のゲームに比べて残念な仕様だからである。PUBGやBF5などのゲームは設定項目から選択するだけでいいのだが、オーバーウォッチはモニターの設定までいじったほうがよく、それで大分見やすさが改善されるのだ。
生活では困らない
一般的に言う色盲とは赤緑色覚異常のことを指す。よく「信号とか見えるの?」とか、「この赤ペン見える?」とか言われるのだが、誤解しないでほしい。生活で困ることは全くと言っていいほどない。イメージとしてはふつうの人が見る赤や緑が薄く見える感じ。色の区別は着くのだが、全体的に薄くて目立たないため、見にくい。青や黄色など他の色はふつうの人が見ている色と大差ないと思う。不便だと思う例は下記の通りだが、どうでもいいことが多いと分かるだろう。
あるある
①ゲームで赤に強調された敵やUIが見えにくい。僕にとってこれが一番問題。
②焼肉で半生なのか焼けているのか、イマイチわからないので焦げ目がつくまで焼いてしまう。一番おいしいであろうレアが分かりにくく、人に取られやすい。しゃぶしゃぶも安全のため完全に煮えたものを食べるか、人に「これいける?」と聞く。
③紅葉の良さがイマイチわからない。別に見に行くほど綺麗じゃない。
④黒板に書かれた赤チョークがすごく見えにくい。赤と黒のボールペンの区別がつきにくい。
⑤星の色の違いが分かりにくい。僕は緑や赤に光っている星があることを最近知ったばかりで、全部黄色だと思っていた。
僕はアレルギーも持っているのだが、そっちの方がよっぽど恐ろしい。なにせそれを食べたら死ぬんだから。生命の危機である。幸い、僕のアレルギー物質は普段食べるようなものではないのでこちらも生活には困ってないが、ものによっては本当にしんどいと思う。
色覚サポートオプション
前置きはこのくらいにして、オーバーウォッチの色覚サポートオプションを紹介する。既に知っているとは思うが、オプション→ビデオ→色覚サポートオプションでゲーム内の設定を変更することができる。明らかに改善が必要なのに2016年の発売当初からずっと放置されていたこの設定だが、2018年10月に遂にアップデートされ、敵と味方を多くの色から選択できるようになった。
無難なマジェンタ
ソロ専の黄色
結論から書くとソロ専門の人は敵の色を黄色、グループを組んでやる人はマジェンタにすればいい。これでめちゃくちゃ見やすくなる。黄色は本当に世界が変わると言っていいレベル。フィルター強度はもういじらなくてもいい。ただ、このアップデートは大きな一歩ではあったが、まだ不完全と言わざるを得ない。グループUIカラーをいじることさえできれば、ソロ専じゃなくても黄色が一番いいのだが、現状は無難なマジェンタがいいだろう。以前はフィルター強度をいじることにより、敵の色をこのマジェンタに近い色にしていたので、僕にとって差はあまりないが、ソロでやるときは黄色にするのでそれだけでもかなり恩恵がでかい。あとはフラグムービーが作りやすくなったというのも大きいだろう。今までフィルター強度をいじると撮った動画にまで反映されていた。ちなみにマジェンタは赤紫である。
モニターの色温度を変更
敵の色を変更した後は、もっと見やすくなるようにモニターの色温度を変更するとさらに効果がアップする。というかこの設定をしないと、マジェンタはまだ見にくいと感じるかもしれない。それだけ大事で、この記事の一番重要な点だと思う。僕が使っている240Hzのゲーミングモニターである「BenQ XL2540」はRGBカラー(赤、緑、青)の色の濃さを調整できるので、変更可能な人は試してみるといい。おそらくBenQ製のモニターは変更できると思う。色温度をいじっても撮った動画にはその色が反映されないのも嬉しいところ。フラグムービーに何の影響もない。この画像もわざわざ画面をカメラで撮ったもの。
マジェンタ用の色温度
・赤30、緑90、青60
適用前
適用後
黄色用の色温度
・赤20、緑70、青85(イリオスやテンプルでも見えるように改善)
適用前
適用後
マジェンタは全体を緑色にすることで、敵がより目立ちやすくしている。黄色は赤をおさえることでぼやけた感じを出さないようにしている。黄色の場合は濃くしすぎると膨張してしまうのでやや抑え気味に。この設定により、非常に敵が見やすくなるはずだ。これを見つけるのに時間がかかった僕にとっての黄金設定なので、ぜひ試してみてほしい。というか、もっといい設定があるならコメントで教えてほしいくらい。この色温度というのは万能なやつを見つけるのは意外と苦労する。というのも全体的に青いマップと、黄色が多い明るいマップに分かれるからである。
その他の設定
・Black eQualizerは0。
・色の鮮明さは16。
・ブルーライト軽減は0。
・輝度は80。
・コントラストは70。
・シャープネスは10。
・ガンマ5。
・AMAはプレミアム。
・インスタントモードはオン。
各色の評価と基準
せっかく全ての色を試したので僕なりの評価とその基準を列挙する。あまりにも色合いを変えすぎてしまうと、最初は慣れが必要で敵と味方の区別が付きにくくなってしまう。ライバルプレイに入る前にクイックやカスタムゲームで慣らしておくことをおすすめする。特にデフォルトの味方の色である青を変えるとすごく混乱する。2年以上そんな仕様でやってきたのだから、そりゃそうだって感じだろう。
基準
・ウィドウメイカーのインフラサイトで敵が見やすいか。
・マクリーのデッドアイで敵が見やすいか。
・アナの回復阻害で敵と味方の区別が付きやすいか。
・アーマー、バリア、体力の区別が付きやすいか。
・キルした瞬間のドクロが見やすいか。濃いと感じればグッド。
色の評価
・マジェンタ:全てにおいて見やすい隙が無い色。敵味方の区別がはっきりと付く上に、インフラサイト、デッドアイ、回復阻害、アーマーなどの区別もできる。
・黄色:敵が一番見やすい色。光っているように見えるため、すごく当てやすい。ただし、グループを組んだ人の名前が黄色に似ているため、誤認しやすいという欠点を抱えている。これが改善されれば断トツでこれ。ソロ専ならこれでもいいかもしれない。あとはアナの回復阻害が敵味方に入った場合、ややわかりにくいのが玉に瑕。
・ゴールド:かなり見やすい。黄色と同じような評価。もはや好みの問題。
・ライムグリーン:かなり見やすい。黄色と同じような評価。もはや好みの問題。
・パープル:やや薄いが比較的見やすい。色温度をモニター側で調整すればかなり見やすくなるかもしれない。マジェンタが微妙だと感じたらこの色で調整してみては。
・オレンジ:全体的に薄い。できないレベルではないが、他の色の方がマシ。
・黄褐色:全体的に薄い。見やすくはない。これだったら別に赤でもいいかなという感じ。インフラサイト分からん。
・赤:薄い。慣れているのでできなくはないだろう。インフラサイトで敵のスナイパーがかなり見にくい。デッドアイでキルしにくい。
・ピンク:薄い。下手したら赤より見にくいかも。
・グリーン:薄い。目立たない。
・アクア:やや薄い。インフラサイトが見にくい。
・ネオンブルー:薄い。味方が青だと全然区別が付かない。
まとめ
色覚異常のためのオーバーウォッチ設定というかなりニッチな内容で書いたが、参考になれば嬉しい。僕自身、この設定を見つけるのに苦労したので、同じように苦労した人も多いのではなかろうか。またこういった設定が必要なゲームがあったら記事にしていこうと思う。